21世紀の現在でも、日常生活において乗馬が切り離せないほど、モンゴルの乗馬の歴史は古く、紀元前から、世界最大のモンゴル高原の大草原地帯には、喫丹、匈奴、鮮卑、突厥、東胡、柔然、ウイグル、キタイ、オルドスなど、数多くの騎馬遊牧民族が興亡を繰り返していた。13世紀の初めジンギス カーンが統一し、東は朝鮮半島、西は黒海沿岸にまで伝わった。騎馬民族国家、大モンゴル帝国が誕生したことによって、大量生産の鋳造の鐙が広く西側に伝わったと考えられる。モンゴルの鐙は、馬上で両足が安定した状態で立つことが出来るように、足踏みが丸くチベット仏教の影響からか、吉祥紋様を象嵌したものが多く見られる。